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2022年02月22日

相続した実家を売りたい!売却時に要る5つの書類

不動産の売却には、様々な書類が必要です。必要書類が揃わないと「売りたいのに売却できない…」「余計な税金を支払うことに…」なんてケースもあるんです。

今回の記事では相続したご実家を売却する時に必要な5つの書類をご紹介します。

ご紹介する全ての書類が揃わないと売却できないわけではありませんが、いざ売却する時にスムーズに手続きができるように、事前に売却時の必要書類を確認して準備をしておきましょう。

1.登記済権利証・登記識別情報

自分がその物件の真の所有者であることを証明するために必要なのが、「登記済権利証」。法務局から登記名義人に交付される書類です。

不動産登記法の改正に伴い、2005年以降に発行されたものは「登記識別情報」と呼ばれます。

2.境界確認書

境界確認書には土地の面積や境界線の位置などが記載されています。

買い手さんはその土地のどこからどこまでが売買対象なのかをはっきり知りたいですよね。

不動産を売却する時に土地の境界を明確にしないと、後々トラブルに繋がる場合があります。境界確認書が手元にない場合は、自分の土地を目視で確認して、隣家との境界に杭があるかを確認しましょう。

万が一杭がない場合は、土地家屋調査士に依頼し、隣家立会いのもと、境界の位置を決めて杭を入れてもらう必要があります。

もちろん土地の測量にはお金がかかりますし、金額は土地家屋調査士によってまちまちです。

不動産を売却すればお金が手に入ると思われがちですが、売却する前にかかる費用や売却して利益が出た時には所得税がかかることも認識しておきましょう。

【事例】登記簿に記載された面積と実際の面積が異なる場合もある

改めて土地を測量した時に、「登記簿に書かれている面積と測量した面積が全然違う…。」そんなケースも珍しいことではありません。

登記簿に記載された面積よりも実際の土地が小さかった場合は、これまで固定資産税を多く払っていたことになります。しかし、多く払っていた固定資産税の還付はされません。

3.建物の設計図書

設計図書は、建物の設計内容を記したものです。建物の構造や配置を示す「図面」や材質や施工方法が記された「仕様書」などがあります。

設計図書は売却時に必ず必要な書類ではありませんが、買い手さんに物件を知ってもらう上でとても有益な書類です。

4.固定資産税課税明細書

毎年1度、固定資産税を納付するタイミングで送られてくる「固定資産税課税明細書」。

1月1日時点で所有している土地や家屋の物件ごとの所在地・評価額・相当税額などが記載されています。

固定資産評価額を知ることができるため、物件売却時の価格設定に役立ちます。また、買い手さんの負担する登録免許税や不動産取得税を計算する根拠にもなります。

なお、固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課税されますが、売買が成立した際には、取得する時期によって調整が行われて、売主さん・買主さんともに損得がないように精算されます。

5.不動産を買った時の契約書や領収証

不動産を売却して利益が出た時には、所得税および住民税を支払う必要があります。実は、売却した不動産の購入金額がわかる書類がないと、税金を多く払わなければいけないケースがあるんです。

亡くなられたご両親が800万円で購入した物件を、1,000万円で売却した場合(物件は5年以上保有・売却時にかかった費用を加味しない場合)の所得税と住民税を、購入金額がわかる領収証がある場合とない場合で比べてみましょう。

不動産売却時の所得税の計算方法
(売却した金額 - 売却した不動産の購入金額 - 売却にかかった費用)×税率

※長期保有(所有期間5年超)の場合は20.315%、短期保有(所有期間5年以下)の場合39.63%の税金(復興特別所得税を含む所得税と住民税の合算)がかかります。

不動産を買った時の契約書や領収証がある場合

(1,000万円-800万円)✖️約20%=およそ40万の所得税を支払う必要があります。

購入金額を証明する書類がない場合

売却する不動産を買った時の購入金額がわからないと、「売却した金額×5%」が購入金額と見なされます。

今回のケースの場合だと、売却金額1,000万円×5%=50万円が購入金額と見なされ、
(1,000万円ー50万円)×約20%=およそ190万円の所得税を支払う必要があります。

購入時の領収書の有無で、所得税の支払いが150万円も変わるのです。

その他、建物の減価償却や売却時の諸経費等を勘案する必要がありますが、ご実家の購入金額が売却金額の5%以上の場合は、領収証がないと大きな不利益を被ります。

実家を売却する時の必要書類は事前に用意しておきましょう

不動産をより良い条件で成約させるためには、買い手さんにしっかりと不動産の情報を伝えることが大切です。

将来的に実家の売却を見越しているのであれば、いざ売却しようとなった時に、必要書類が揃わないなんてことが起こらないように、今回ご紹介した必要書類を事前に準備しておきましょう。