2022年2月16日に「任意売却取扱主任者」の試験を受験し、無事に合格することができました。
「任意売却取扱主任者」は、任意売却を行うために必要な知識を有していることを証明するとともに、一般消費者にとって分かりやすい判断基準となることを目指して創設された資格です。
取得していなくても不動産の任意売却の取り扱いは可能ですし、独占業務があるわけでもありません。しかし自分自身の知識レベルを確かめたいとの想いで受験しました。
4年前には「競売不動産取扱主任者」という資格を取得したのですが、それは実務上の手続きに加えて民事執行法に係わる出題がほとんどで、1か月ほどしっかり勉強した記憶があります。
「任意売却取扱主任者」は「競売不動産取扱主任者」よりも一段とマイナーな資格。今年はコロナの影響で試験時間が1時間30分に短縮され、4肢択ー30問と記述式2問でした。
4肢択一問題は、ほとんどが「正しいものはいくつあるか?」という出題形式で、全ての選択肢の内容を理解していないと正解できない仕組みとなっており、想像していたよりも難しかったです。また、以前は受験資格として宅地建物取引士やファイナンシャルプランナー等の要資格者となっていたのですが、今は資格要件はなくなっていました。
残念なことに出題された問題を持ち帰ることは許されず、合否のみが知らされる発表だったので、自分がどの程度理解できているかの判断は難しいですが、無事に合格できてホッとしています。
さて、今年度は任意売却の案件を2件取扱いました。
うち1件は渋谷区内の再建築不可の一戸建で、売主さんのご要望通りに売却するお手伝いができました。
この建物は、敷地が道路に面していない(無接道)建物でした。建物を建築するにあたっては接道義務があり、一定幅員の道路に一定の長さが面している必要があります。無接道の土地は建築基準法上、建替えが認められません。(無接道の場合には、民法の「囲繞地通行権」という権利の定めのもと、隣接する他人の土地を通行することができます。)
でも、そこには抜け道があって、建替えは難しいけれど、改築やリノベーションを施すことはできます。
今回扱った渋谷区の戸建ては、築50年以上の建物ですが、3年前に内外装をリノベーションし、とても綺麗でした。条件面で売りづらい物件でも、立地が優れていれば需要もあるのです。
そして先月は1件、競売の入札を行いました。広島県のマンションの1室で、売却基準額(最低の売却価額)が8,856,000円。それに対して、入札者が私どもを含めて35件、最高価が売却基準額のおよそ3倍の26,121,200円。
広島県のマンションの1室を入札することは通常業務ではありませんが、今回はご縁があり入札しました。結果的に当社が落札することは叶いませんでしたが、物件の行く末を見届けることができました。
任意売却も競売も不動産取り引きの重要な手段の1つですが、「所有者の意思が反映できるかどうか」という点で天と地ほどの差異があります。
競売や任意売却を専門に取り扱う不動産会社もありますが、肝心なのはきちんとお客様の方を向いて仕事をしているかどうかです。弊社では必要な方にはきちんと説明をさせていただいた上で、お手伝いをさせていただきます。