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2022年06月13日

相続の相談は誰にすればいい?不動産会社に任せるべきケースとは

相続の相談先に悩んでいる方は多いものです。
両親が高齢で、そろそろ相続を考えたいけど、誰に相談すればよいのかな?


弁護士、税理士、司法書士、行政書士、銀行……?
ネットで調べると相続の相談窓口はたくさん出てくるけれど、どこを選ぶべきなのでしょう?

あまり知られていませんが、実は、相続財産の中に不動産が含まれる、またその割合が多い場合には、不動産会社に相談するのが最適です。

この記事では、相続を不動産会社に相談すべき理由を、事例を含めてご紹介いたします。

そもそも相続とは?

相続とは、誰かが亡くなった時に発生する資産継承のことです。

人が亡くなると、先ずは葬儀を行って、納骨があって……その後は何をするのでしょう?葬儀の費用は誰が支払いますか?その用意はしてありますか?亡くなった方の銀行口座から?先々のさまざまな心配事の中にはお金の心配もあるでしょう。

亡くなった方に一定の財産がある場合は、相続の手続きを進める必要があります。

遺言の有無の確認、相続人の確定、相続財産の洗い出し、さらには、その財産を誰がどのくらいの割合で相続するのかを話し合い、期限内に相続税を納める必要があります。やるべきことは複雑で多岐にわたるため、相続人だけでは対処が難しい時には、専門家に相談することをおすすめします。

弁護士、税理士、司法書士……、相続内容によって相談すべき窓口は異なる

相続の相談窓口で一般的なのは、弁護士、税理士、司法書士、行政書士などでしょう。

それぞれ得意分野が異なるので、相続財産の種類や相続人の状況などにより、相談すべき窓口が変わります。

まずは、それぞれ何が得意で、どんなことをお願いできるのか、詳しく確認してみましょう。

弁護士

依頼できる業務範囲が最も広いのが弁護士。その分、費用はお高め。

相続に関する調査や手続き代行、他の相続人との交渉の代理など、相続に関する幅広い業務を依頼することができます。

また、裁判の代理人を務めることができるのは弁護士だけです。そのため、相続人の間で揉めそうな場合は、税理士や司法書士では間に合 わず、弁護士に相談する必要がでてきます。

税理士

税理士は、財産の内容を事細かに調査して、相続税の計算・申告をサポートしてくれます。

税理士に依頼することで、相続税の節税に繋がることや、申告手続きにおけるミスや漏れを防ぐことができます。

しかし、税理士にも様々な専門領域があるため、すべての税理士が相続に詳しいとは限りません。相続に詳しい税理士を探すのは意外と大変です。

司法書士

司法書士には、相続した不動産の名義変更(相続登記)や、相続人の調査業務、遺産分割協議書の作成などの業務を依頼できます。

専門家の中で相続登記ができるのは、司法書士と弁護士だけです。

行政書士

行政書士には、相続人調査や、遺産分割協議書などの作成を依頼することができます。預貯金、株式、車の名義変更の手続きなどの依頼も可能です。

また、昨今増えている家族信託については得意とする人が多い反面、扱うことができる業務は書類作成までです。

その他にも、役場などの公的機関での無料相談や金融機関の相続手続きサービスなどもあります。

不動産会社にも相続の相談ができるの?

先ほど相続の相談窓口を4つご紹介しましたが、不動産会社でも相続のご相談を承っているケースがあります。

あまり知られていませんが、相続財産の中に複数の不動産が含まれる場合は、相続に詳しい不動産会社に相談するのが最適です。

なぜなら、不動産は評価額と実際の売却額の差が大きく、不動産の本当の価値を判断するのは非常に難しいのです。

さらに、相続財産のうち、一番大きな割合を占めているのが不動産です。その性質上、相続税を算出するための評価がわかりづらく、しかも相続人が複数いる場合には、他の財産とは異なり、分けるのが簡単ではありません。

その点、不動産の知識に長けた不動産会社であれば、不動産の適性な価値をしっかりと判断し、専門家の知見を活かしてアドバイスすることができます。

相続財産の中に複数の不動産がある場合や、お隣との境界がわからない複雑な不動産がある場合は、相続に詳しく税理士さんとも繋がりのある不動産会社に相談するのが良いでしょう。

ここからは、弊社が担当させていただいた、相続事例をご紹介いたします。

【相続事例】郊外に複数の不動産を所有するケース

今から1年半程前にホームページを見てご連絡くださった相談者A様。

90代のお父様が入退院を繰り返していたため、事前に相続の準備を考えたいとのことでご相談いただきました。

ご家族構成

お父様(92)
お母様(90)
長男(62):相談者A様
長女(59):相続時は何もいらないとのご意向
次女(56):相続時は何もいらないとのご意向

お父様の所有する財産

  • 現預金は少なめ
  • 空き家になっているご実家
  • アパート2棟、うち1棟はローンが残っている
  • 相談者A様の家(建物はA様名義。土地はお父様名義)
  • 納屋
  • 境界が不明な山林
  • 生産緑地
  • 所有者がわからない小さな墓地

まずは財産内容の確認・現地調査・ご家族の意向確認

まずA様には、不動産をはじめ、生命保険や預貯金など財産の確認と必要書類の準備をお願いしました。

用意いただいた書類

  • 課税明細書
  • 登記識別情報
  • アパートの賃貸借契約書
  • 銀行の通帳
  • アパートのローン明細書

そして、税理士さんと共に現地に足を運び、ご用意いただいた書類の確認や、境界がわからない土地の確認などを行いました。

そこで見えてきたのは「かなりの相続税がかかる」という事実。

A様にお父様の意向を確認いただき、切り分けづらい不動産をどのように分けるとお父様の意向に沿うことができるのか、相続税は実際のところどれくらいかかるのか、資産の内容と照らして納税資金は捻出できるのか、相続税を軽減する方法はあるのか、あるとすればどのような方法か等を提案していくことになりました。

相談対策案件から相続案件に

しかし、相続対策をしようとした矢先に、お父様が他界され、相談対策案件から相続案件になったのです。

相続が発生してお父様の葬儀を追えて間もなくA様には以下の対応をお願いしました。

  • 相続人の確定
  • →亡くなったお父さんの出生時から死亡時までの戸籍を確認する。
  • 遺言書の有無を確認
  • 相続人の意思確認
  • 相続財産の洗い出し

今回は妹さんたちが「相続財産は何もいらない」とのことで、揉めるケースではありませんでした。しかし、ローンが残っているアパート、空き家になっている実家、境界のわからない山林、たぶんご先祖様だけど実際のところ誰が眠っているのかわからない墓地など、問題は山積みでした。

また、A様のお母様は、亡くなったお父様の配偶者であり、他の親族に比べて相続税が大きく優遇されます。そのため、今回の相続では出来る限りお母様に財産を相続いただくことが、相続税の軽減に繋がります。

しかしながら、お母様もご高齢のため、今はお元気だとしてもやがてお迎えが参ります。一般的に「二次相続」と言われるその時には、配偶者の控除が無いため、A様を始めとした3人のお子様たちには、相続税がきっちり課税されます。

そのため、二次相続まで考慮し、財産の大半を占める不動産の内容を見極めつつ、相続税を出来る限り少なくする方法を検討することが、今回の重要なポイントでした。本件では、このタイミングでの生産緑地の解除までアドバイスさせていただきました。

売るべきか、残すべきか、見極める

相続税の支払いは基本的には現金です。物納もありますが、承認されるケースは稀です。

今回のケースは相続税を支払うための現預金がなかったこと、アパートのローンが残っていたこともあり、一部の不動産を売却し、相続税の支払いとローンの完済に当てることに。二次相続まで考慮した上で、長期的な視点で売却すべき不動産、手元に残すべき不動産を見極め、今回は空き家になっているご実家とアパート1棟を売却することにしました。

「どの不動産を売却するべきか」この判断は、不動産の知識がないと非常に難しいです。

不動産の価値を正しく見極められる不動産会社だからこそ、相談者様にとって最適なご提案ができるのです。

相続税の申告期限・納税には期限がある

相続税の申告・納税には期限があります。その期限は「亡くなった方(被相続人という)が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内」。

A様の事例のように、相続財産に現預金が少なく、複数の不動産がある場合、相続税を支払うために一部の不動産を売却したり、境界のわからない土地を調べたり、相続の手続きは非常に複雑で時間がかかります。

結果的に、A様の相続は納税期限を少しだけ過ぎてしまいましたが、わずかな延滞金をお支払いした上で、納税を済ませ、無事に解決することができました。

複雑な不動産が多い相続案件にも関わらず、無事に解決できたのは、相続案件になる前に、不動産会社である弊社にご相談いただいたからです。

相続の相談は1日でも早く不動産会社へ

不動産会社にも中古マンション専門や賃貸専門など、様々な得意分野があります。相続のご相談は、弊社のような「相続に詳しい不動産会社」にご依頼くださいね。

弊社は信頼できる税理士さんと共に、あなたにとって最適なご提案をさせていただきます。

なお、不動産の売却などが発生する複雑な相続は、解決までにかなりの時間を費やします。相続が発生する前に、1日でも早く対策を考えることをおすすめいたします。