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2023年09月06日

毎年変化する不動産の価値?!

「今は土地の価格は上がっているの?」
「これから人気が高まりそうな地域はどこ?」

「相続した実家の不動産、どのくらいで売却できるかな?」

素朴な不動産の疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、コロナ禍で不動産の価格がどうなったのか、将来的に価値が高くなる地域はどんな場所なのか、気になる不動産の知識を対談形式でご紹介いたします。

登場人物

「不動産のことは何もわからないド素人」代表
いけかよ

フリーランス編集長。1980年岡山県生まれ。執筆、編集、Webメディア運営、ワークショップ、プロジェクトマネジメントなど幅広く活動中。現在、あおい不動産アドバイザーズのWeb広報をサポートしている。

あおい不動産アドバイザーズの代表
西川

不動産業務経験30年。仲介、新築販売、賃貸管理、ビル管理、資産管理、買取再販、用地取得など、幅広い実務に携わってきた不動産のプロフェッショナル。

あおい不動産アドバイザーズ シニアアドバイザー
宮本

金融機関、不動産会社、NPOなど様々な業種での勤務経験を持ち、現在は、海外不動産の販売や資産形成の助言、経営・営業のコンサルティング、ファイナンシャルプランニング、事業承継や資産活用の助言、社会貢献活動の助言やコーディネートを行うなど、多方面で活動。

土地の値段は需要と供給のバランスで決まる

いけかよ:ざっくりした質問ですが、土地の値段はどのように決まるのでしょうか?

西川:土地の値段は需要と供給のバランスで決まります。

立地条件の違いから二つとして同じものがない不動産は、そもそもその土地を利用したい人が居なければ価値を見出すことはできません。人口減少社会の現在、需要は減少する一方のはずです。しかしながら、今年発表の全国平均公示地価も路線価も昨年を上回っています。詳細を見ると郊外や地方では値下がりしている地域も多数あるので、正に需給のバランスが反映されていると判断できます。

このうち、相続税に直接関係してくる土地の値段は路線価で知ることができます。

いけかよ:路線価って?電車の路線のこと?

宮本:路線価は、線路の「路」ではなく、道路の「路」です。

(※参考:路線価とは

土地は基本的に道路に隣接しているので、道路に対して値段がついているんです。「この道路に面した土地は平米単価いくら、こっちの道路に面したのは平米単価いくら」というように。

だから2つの道路に面している土地の場合、どちらを参考にするのか補正されることもあります。基本的には道路ごとに値段がつけられているのです。

西川:道路ってすごく重要なんです。道路に面してない土地は経済的な価値が低くなるケースが多いです。

しかし、「道路に面していない土地は売れないのか?!」というと、そういう訳ではありません。土地の値段は需要と供給のバランスで決まるので、お隣さんが「買うよ」と言ってくれれば価値があるものになるし、道路に面している土地に住むお隣さんが「敷地を通り抜けても良い」と言ってくれれば価値が出てきます。

宮本:公道に接していなくても、私道に接していれば価値が出てきます。

コロナ禍で不動産の価格は高騰

いけかよ:なるほど!土地の値段は需要と供給のバランスによって変わってくるのですね。ちなみに、日本全体で土地の値段は上がっているのか、それとも下がっているのか、傾向はありますか?

西川 :コロナ以降、土地の値段は上がっています。

いけかよ:それは需要が高まっているからでしょうか?

宮本:これはちょっと複雑なのですが……。コロナ禍で経済活動は停滞しましたよね。その時のお金の使い道として、株式が買われ、債券が買われ、不動産も買われた。その結果、土地の価格も上がっていったという傾向があります。

ですので、コロナ禍は、世界中で土地の値段が上がっていたのです。

いけかよ:そういうことか、なるほど。

宮本 :日本より早くアメリカは利上げを行い、 世の中に流通するお金の量が減らされる状況になりました。そのため、アメリカの土地の価格は、少し下落傾向が出ているところもあります。

日本も利上げが進んでいくと、もしかしたら、一旦不動産の価格が落ち着いてくるかもしれません。ただ、日本銀行は簡単に利上げはできないので、時期的な判断はとても難しい。だから、日本の不動産がこれから上がるのか、下がるのか、見通しが読みづらい状況です。

日銀や政府によって、日本の景気がどう上がっていくのか。また利上げがどのタイミングで、どのぐらいの強さで行われるかによって、不動産の価格は変わってきます。

街づくりやインフラの開発によっても不動産の価値は変化する

西川:コロナ禍で経済が停滞した時に、一部の人たちの余ったお金が不動産購入にも使われたという話をしましたが、そういった場合の不動産は投資目的に購入されることが多いです。そのため、投資対象にならない地方や郊外の不動産は購入されないということになります。

いけかよ:だから地方と都市部の不動産価格の差は開く一方なのか……。

西川:ただ、地方でも目を向けてくれる人がいれば需要はありますよ。

宮本:例えば、兵庫県明石市。効果的な子育て支援策により、人々が集まり、不動産の価格が上がっています。

一言で地方と言っても、地方都市と、電車も走っていないような地方では、また動きが違ってきます。

いけかよ:そうですよね。国内で都市部以外で注目の土地はありますか?

西川:首都圏だったら、つくばエクスプレス沿線の不動産はずっと上がり続けてます。

いけかよ:なんでですか?利便性が良いからでしょうか?

西川:利便性が良い上に、開発が上手に進んでいるからでしょう。

宮本:総合的な街づくりが行われることで、街全体に統一感が生まれて価値が高まり、需要が増えます。東京湾岸エリアの「豊洲」なんかは、代表的な成功例でしょう。

総合的な街作りは、ゼロから作る場合と、再開発する場合があります。渋谷の駅前とか梅田の周りは再開発が進んでいますよね。

いけかよ:関西だと三宮は再開発で綺麗になりましたよね。阪急の駅がものすごく綺麗になっていて驚きました!

私は岡山県北部の田舎育ちですけど、岡山市はタワーマンションがたくさん建設されて、完成する前から完売しているらしいです。コロナを機に都内から岡山に移住する方も増えていると耳にしました。岡山も結構注目されているんですかね?

宮本:岡山はいい街ですし、人気が高いですよ。また、岡山に限らず、各都道府県の中心的な都市ではマンションの売れ行きが好調です。岐阜駅前とか広島駅の周りにもマンションが建っていますね。

ちなみに、地方都市のタワーマンションでは高齢者の住み替えが起きています。戸建てに住んでいた高齢者がマンションへ住み替えたり、あるいは、戸建てを残したままマンションに住む方も多いです。

そう言えば、鹿児島駅前に初の億ションができました。新幹線が通って、福岡まであっという間に行けるようになったので、需要が高まったのでしょう。

いけかよ:インフラの開発も、その街の価値を変えていきますね。

(対談ここまで)

変化する不動産の価値、見極めは難しい?!

不動産の価値は需要と供給のバランスだけではなく、地域経済の健全性や社会インフラの発展などによっても影響を受けます。

不動産の購入や売却、投資を考える際には、これらの要因も考慮した上で適切な判断をすることが大切です。

とはいえ、不動産の価値をご自身で見極めるのは非常に大変です。何かお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。

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